シャインマスカット。

シャインマスカット狩りに行ってきました。

都心から特急に揺られて一時間半。太陽の下ではまだ夏らしさがあったものの、日陰に入るとすっかり秋らしくなっていました。

 

30分食べ放題で2500円。

 

農園の受付で会計を済ませ、そこからマイクロバスに揺られて葡萄畑に到着。

 

腰を屈めて葡萄棚に入ると、スーパーやデパートで神々しく陳列されているシャインマスカットたちがずらりとぶら下がっておりました。

 

先発組のひとたちはすでに「もとを取りに」いっているといった様子で、青々とした粒を味わうというよりは淡々と口に運んでいました。

 

狩り放題・食べ放題というのは「時間」にばかり頭が行きがちで、今回も30分かぁと思っていたのですが、これまでの経験から「そんなに食べられるものでない」ということも知ってはいたので、「急ぐ必要はない」と自らをなだめはしたものの、どこぞの子供たちの戦闘モードを横目に見てしまうとつい気持ちははやってしまいました。

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農家の方いわく「葡萄は常温が一番甘い」とのことでしたが、確かに狩りたてのシャインマスカットはみずみずしくてとても甘かったです。

 

それでも子供の飽きっぽさと私の腹具合は似たり寄ったりだったらしく、私が一房半を食べてギブアップ寸前頃には、子供たちは食べ終えた葡萄の房でもって戦闘ごっこをしておりました。

 

シャインマスカットは品種改良に成功し、一番利益率も高いとどこがで聞いたことがあるのですが、これだけ世に受け入れられると確かに値崩れもしにくいのでしょう。

 

味もさることながら「皮ごと食べられる」といつのが人気のひとつなのでしょうが、それは葡萄に限ったことではなく、近年においては「剥いたり」「(種を)取ったり」という行為そのものが敬遠されているようです。

 

いろんなものを「敬遠されて」農家のひとも大変ですが、それが新しい品種を生み出しているのではあれば、それもまた進化の原動力なのかもしれません。

 

個人的には巨峰の「種有り」が一番美味しいと思っているのですが、その煽りを食ってというか市場原理に押されて、巨峰の種有りは年々陳列棚のすみに押し出されているような気がします。

 

マイクロバスで受付まで戻り、満足げな子供たちといくぶん疲れ始めた親御さんに別れを告げて、散策がてら歩いて見える町並みはご多分にもれず空き家が散在していました。

それでも明らかに近年に建てられと思われる小洒落た家なんかもあって、そんな家を見つける度にどこかほっとしたりもして、気がつけばそんな家々を目で探しておりました。

 

流行りのすぐ後ろが一番の流行遅れだと思っているのですが、「周回遅れのトップランナー」でも構わないので、都心一極集中からの脱却に加速がついてほしいものです。

 

叫ばれて久しい課題のひとつなのでしょうが、インフラや働き方も含めた社会情勢なんかをみてもその機は十分に熟しつつあるように思えます。

 

種を出すのは「面倒」かもしれませんが、種があるぶんだけ甘味も濃いので、巨峰の種有りもどうぞよろしくお願いいまします。


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