運。
おかげさまでここのところ忙しくブログの間隔がだいぶ空いてしまいました。
(信じて任せて下さったオーナー様、物件を気に入って買って下さった買い主様、ブログを待って下さっていた方々にこの場をお借りして改めてお礼申し上げます)
長年この仕事をやっているとつくづく不動産って縁物だなーと思います。
「いつにいかなるときも全ての物件でお役に立てる」といった不遜なことを申し上げるつもりは毛頭ないのですが、「このタイミング(状況)でご相談を向けて頂けたのは何かの縁なのかな」と思うことは結構あります。
弊社として出来ることを明確にお伝えした上で、「お任せ」頂けたときはもちろん嬉しいのですが、その期待を裏切らないようにするためのプレッシャーもものすごくあります。
やはり信じて下さった方の期待にはどうしても応えたいと思って動きますので、それが無事に完結したときの安堵感はとても深いものがあります。
そんな一連の取引のなかでよく感じるのが「運」というものです。
もちろん、いろんな事象に運はつきものなのでしょうが、不動産という(多くのひとにとっては稀な)取引においては、より「運」という要素がクローズアップされるような気がします。
もちろん悪いよりはいい方がいいに決まってる運ですが、私にとってはどちらかと言うと「縁」に近い感覚でそれを受け取っています。
ここ最近の取引では、一般の方が買われる値段で業者に買ってもらったりすることも多かったのですが、売主様にとっては契約不適合「免責」など手離れがいい上に、融資がつくつかないでやきもきする心配もありませんので、条件さえ揃っていればよくお勧めしています。もちろん弊社で購入もするのですが、同じ業者でも好みや得意分野がありますので、その都度、最適と思われる方法を提案させてもらっています。
個人投資家へのアパートローンが厳しくなったこともあり、ひと頃に比べて「即再販」業者もだいぶ減りました。買ったところで売り先のローンが厳しいのでそれも当然の流れかと思います。
なので、同じ業者でも中長期で購入(保有)を進めているところも多く、そういった所に買ってもらえるのは売主様にとっても、いい話だと思っています。
一時期の「融資がじゃぶじゃぶ」の頃は、得たいの知れない業者が跋扈、というか市場をだいぶ荒らしておりましたが、その頃に比べればだいぶ落ち着いた市場環境になったように思います。もちろん「行儀の悪い会社」がなくなったわけではありませんが、当時、我が世の春とばかりにイケイケだった輩たちはいったいどこで何をしているのでしょうか。次回に備えて日焼けサロンでこんがりと肌を焼いているのでしょうか。
融資環境が変わればまたぞろ現れてくるのはこれもまたいつものことですが、そう考えると融資環境が厳しいのもあながち悪いことではないのかもしれません。
市場が荒らされない上に被害者が量産されないわけですから。
そんな比較的落ち着いた環境下でお取引をさせて頂いていると、「運」を持ってるなーと感じるひとにお会いする機会が増えるような気がします。
「欲に目の眩んだ」環境ではないからそうなるのかもしれませんが、不思議と共通点があるような気がします。
当たり前ですが、年齢も違えば状況も違いますし、そもそも物件が異なります。
それでも共通しているのは、「警戒心が強すぎない」ことです。
先ほど申上げた通り、会社の大小に関わらず行儀の悪い会社はありますので、警戒心は解いてほしくないのですが、それが過度だと相手の気持ちも動きませんし、結果として、良い「縁」まで遠ざけているように思います。
その頃合いみたいなものは頭で考えると難しいのですが、なんとなく「権利意識の強弱」に繋がっているような気がします。
同じ運賃を払っているのだから「座らないのは損」とばかりに電車内で椅子取りゲームに興じているひとよりは、多少の損には鈍感なくらいのひとの方が結果として得をしているように思えてなりません。
だからなのか、実際に運を持ってるなーと思えるひとたちは、皆さん人としての余裕がどこかしら感じられます。
誰かが「運」は「運ぶ」ものだと言っておりましたが、運ぶどころか、運ばれる前から自らで遠ざけてしまうような振る舞いは避けていきたいものです。
欲に目の眩んだ状態で無理に結んだ縁は、良縁にならないことが多いような気がしますが、動くべきときにさっと結んだ縁は結果として良縁になるような気がします。
無理なく、自然体でいるのは、口で言うほど簡単なことではないのかもしれませんが、私自身、そういった方々から大いに学ばせてもらおうと思っております。