土砂崩れ。
先日、雨について書きました。
とかくいろんな事が起こりうる不動産取引において「雨」が絡むと非常にやっかいです。
この仕事を始める前までは、不謹慎ながらも台風が運んでくる「非日常性」にどきどきしたりもしました。
子供の頃はわざわざ雨合羽を着て、普段はすました様にしか流れない近所の川原の激情ぶり見に行ったりもしましたが、いま思うととても危険なのことをしていたのだと思います。
以前のブログ『捨て鉢。』のときにも触れましたが、ダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』にも書いてある通り、人生における「運」の要素はやはりとても大きいのかもしれません。
たまたま何も起きなかったから良かったものの、もしものことが起こったとしても何ら不思議ではありませんし、とんだ迷惑をひと様にかけていたかもしれません。
それが今となっては、台風がやってくる度に「それろそれろ」と念じてるのですから、我ながらげんきんなものです。
もちろんすでに所有している物件の直接の被害もですが、「売り」にせよ「買い」にせよ、なまじ『契約後、決済前』だったりするとその不安は一段と強まります。
東日本に多大な被害を与えた『台風12号』のときがまさにそれでした。
売りの契約を終え、決済が翌週にせまってときに台風12号がやってきました。
対象物件の道路を挟んだ向こうが「土砂災害警戒地域」だったのですが、初めて現地に行ったときから気にはなっていたので尚のことでした。
大きな被害を生む小さな要素は至るところに潜んでいるものです。
もちろん、重要事項説明でその旨を伝えてはあるのですが、危険性があるのと実際に危険が生じるのでは訳が違います。
(そもそも重要事項説明は、~の可能性がありますのオンパレードですから)
全国的な被害が出ている状況で、ニュースを見ていても私が求めているピンポイントの情報が得られる可能性は低く、Twitterで「エリア」「土砂崩れ」で繰り返し情報の広い出しをしていました。
いろいろと問題があるTwitterですが、このへんの速報性は本当にすごいと思います。
とはいえ、おそらく「ヒット」はしないと高を括っていたのですが、だからこそと言うべきなのかものの見事にヒットしてしまいました。
「土砂崩れのため通行止め~」
いくぶん軽いコメントとともに、見覚えのある景色がアップされていました。
土砂は力なく道路に崩れ落ち、規制線の引かれた先で警察の方が交通整理をしていました。
土砂が対象物件にまで届いているのはアングルの都合で分からず、翌朝になって(遠方の)管理会社に伝えたところ、その情報については認識しておらず、急いで見てきますとのことでした。
幸い、対象物件の手前で土砂は止まっていたため直接の被害は免れました。
またもや「運」に救われたような気がしました。
以前よりも、土砂災害警戒区域やハザードマップなどが真剣味をもってとらえられるようになりましたが、それはとても必要なことですし、気候そのものがそれを必要とする「状況」になってしまったことにはどうやら間違いがないようです。
いつもいつも「運」に救われていたのでは、運も見方をしてくれなくなってしまうかと思いますので、これまで以上に注意をしていきたいものです。